「烈車戦隊トッキュウジャー」第41話感想

本年最後 (多分) の周回遅れスーパーヒーロータイム感想。まずは「烈車戦隊トッキュウジャー」。第41話のあらすじはココ

ついに明らかになる昴ヶ浜の所在、グリッタを巡って激突するそれぞれの想い、次々に倒れていくシャドーラインの幹部たち、闇の力が増大するほど絶望を深めるゼット、そして明の帰還。んーむ、1話に良くこれだけの内容を盛り込んだものだなぁ、とまず感心。過去のエピソードでの描写の積み重ねもあって、詰め込み感よりは充実感を感じさせる出来だったと思う。

まずはグリッタ関係。ゼットには勝てないと知りながら、目的をグリッタ救出に絞り込んで見事に成功させたシュバルツに拍手。「恩義に報いる」という形でしか自分の想いを表せない不器用さが、いかにも武人らしくて泣かせる。それでいてあまり悲壮感がないのは、やはりゼットに向かって放った「私はキラキラを手に入れたぞ」という捨てゼリフの賜物であろう。リア充勝利宣言と共に逝くという、試合に負けて勝負に勝つイカス死に様であったぞ。

んで、同じくらい印象に残ったのがノア夫人。野心と陰謀の人だった彼女が、最後は娘を救い (自分の野心から) 解放するために身を投げ出す姿には、素直に胸を打たれた。しかもシュバルツ同様、ゼットに意地の悪い捨てゼリフを残す辺りがステキっす。

しかし、シュバルツにせよ、ノア夫人にせよ、最初はグリッタを自らの野心の道具としてしか見てなかったんだよなぁ。それだけに、今回の2人の行動がより一層胸に迫るわけですな。まあ、グリッタにしてみれば、最愛の人と母親を同時に失ったわけで、悲劇以外の何ものでもないわけですが。彼女がその悲劇をどう受け止め、何を選択するか、今後の展開に期待したい。

さて、目的を果たして満足げに逝ったシュバルツ&ノアに対し、どうにも報われないのがモルク侯爵&ネロ男爵。闇の皇帝への忠誠心は極めて高いにも関わらず (あるいはそれゆえに)、ゼットの逆鱗に触れて斬られるという不幸っぷり。多分生きてるとは思うけど、万が一これで出番が終わりだったら、死んでも死にきれまいて。つーか、引きこもり息子のDVに悩む両親みたいで、もはや不憫とすら思えてくるぞ。

でもって、その 引きこもり息子 ゼット。欲しくてたまらないキラキラ (グリッタ) はシュバルツ&ノア夫人に奪われるわ、いりもしない闇の力はどんどん増大するわ、モルク&ネロは人の気も知らずにそれを喜んでるわで、すっかりやさぐれてしまうのであった。わかる、気持ちはわかるぞ。でもなぁ、そろそろ闇の皇帝としての自覚を持っても良いんじゃないかなー。このままだと「働きたくないでござる!!! 絶対に (後略)」なダメニートラスボスとして、その名を特撮史に刻まれてしまうぞ。← 刻む気満々なのでは

一方、トッキュウジャー側では、明の帰還シーンがなかなか。明の生存を知って安堵したライトたちが、子供のように (いや、実際子供なんだが) 泣くのが良いよなー。そういう細やかな描写があってこそ、明の「俺が寂しかったかどうかはわからん。(中略) 俺は多分今 …… ものすごく嬉しい」というセリフがより沁みるんだよな。

つーことで、たっぷり堪能させてもらいましたわ。ラストのクリスマスパーティでも、シュバルツを悼むシーンがちゃんと入ってたし。そういう、細部まで神経が行き届いた描写を、最終回まで続けて欲しいものであるよ。