「仮面ライダーディケイド」第17話感想

二日遅れで「仮面ライダーディケイド」 の感想を。今回のあらすじはココ

今回は「カブトの世界」の後編。前編同様、細かいツッコミどころや説明不足な部分は見られるものの、ヒーロー物としてのツボを外さない脚本が功を奏して、なかなかに燃える&泣けるお話に仕上がっている。その正体を知りながら、妹/孫であるマユに惜しみない愛情を注ぎ、彼女を守り続けようとするソウジ/おばあちゃんの描写が、実に良いですな。物語の焦点が、3人の絆を描くことにきちんと絞り込まれてるんで、少ない話数でも深みが出てるっつーか。

特に良いのは、ソウジ=カブトが「クロックアップの世界」に留まることを選択するラスト。過酷な運命を受け入れ、静かに消えていくソウジの、穏やかな表情が強く印象に残る。「おばあちゃんに伝えておくことはないか」と士に訊かれ、少し考えてから「ないな」と笑顔で答えるのもナイス。前後編を通じて一度も顔を合わせないにも関わらず、いや、むしろ顔を合わせないからこそ、お互いに対する信頼がくっきりと浮かび上がるのだな。いやー、やるじゃないかコヌたん!← その呼び方はどうか

ただ、ちょっとだけ残念だったのは、ソウジに擬態したワームが「この世界は俺のものだうわははははははは!」みたいなセリフを言うこと。しかも2回も。いや、わかりやすいんだけど、今どき高笑いする悪役ってのはなー。すごく安っぽく見えちゃうぞ。他の部分が良いだけに、ちと惜しかったな。

後、クライマックスの戦闘シーンを見てて思ったんだけど、やっぱ、ファイナル・フォームライドは、問題が多い設定だよなぁ。前にも書いたが、各エピソードにおける主役ライダーを「ディケイドが使う単なる武器」に変えてしまうってのは、ヒーロー物としての興を削いじゃうと思うのだ。まあ、コヌたん (まだ言うか) は、その辺を承知した上で、カブトが自ら変形&変形解除を行うシーンを入れたり、ディケイドとのダブルライダーキックで締めたりしたんだろうけど。やはり、ヒーローたる者は自分の意志で戦わないとね

さて、来週はいよいよ最後のライダー世界である「響鬼の世界」が登場。オリジナルは、諸般の事情によって前半と後半で大きくカラーが変わってしまったわけだが、それをどうアレンジするのか、楽しみに待つことにしよう。あ、ちなみに、私がオリジナルの「響鬼」をどう思っているかについては、ココに書いてありますです。