「シュヴァリエ」感想

 

昨日に続いて、実家で見た録画の感想を簡単に。今日はアニマックスで放送中の「シュヴァリエ」を取り上げる。

 

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舞台はルイ15世統治下のフランス。青年騎士デオン・ド・ボーモンは、姉・リアが何者かに殺害されたことを知り、その真相を追う。だが、彼女の死の背後には、フランスのみならずヨーロッパ全土を巻き込む巨大な陰謀が存在していた …… ってなお話。

女装の外交官、デオン・ド・ボーモンを始めとして、実在の人物が多数登場するのだが、史実をしっかりと踏まえつつ大胆にアレンジされているのが面白い。たとえば、史実では女装したデオンの変名に過ぎなかったリアを彼の姉とし、彼女の魂がデオンに憑依して肉体を支配するという設定にしているのが一例である。

その他にも「不死の錬金術師」サン・ジェルマン伯爵、詐欺師カリオストロフランス革命を主導したロベスピエールなどなど、錚々たるメンツが次々に登場し、虚実の入り混じった活躍ぶりを見せてくれる。歴史好きなら「ははぁ、そう来たか」とニヤついてしまうような凝った趣向ですな …… とか、偉そうに言ってるけど、実は友人に教えてもらうまでデオン・ド・ボーモンのことは全然知らなかったんだけどねー。

また、衣装や建築物、風俗に関しても考証が行き届いているし、キャラクターデザインも、最近のアニメとしては珍しいほど落ち着いた雰囲気を持っており、全般的に非常に丁寧な造りの作品だと言えるだろう。ただ、描写が淡々としすぎているせいか、序盤のフランス編が今ひとつ盛り上がらなかったのがちと残念。主人公であるデオンに魅力がないのもツライところだ。

とは言うものの、続くロシア編とイギリス編で、真相が徐々に明らかになるにつれて面白さが増していくので、未見の人もめげずにトライして欲しいものである。

それと、ものすごく個人的な趣味の話なのだが、フランス王妃マリー (アントワネットに非ず)、ロシアの女帝エリザベータ、イギリス王妃メアリーといった、大人の色香と威厳を兼ね備えた女性が多数登場するのが、すげえ嬉しい。特にエリザベータ様は田中敦子が声を当てていることもあって、思わずひれ伏して忠誠を誓いたくなるほど魅力的だぞ。おお、何なりとご命令を皇帝陛下。後、ときどき叱ってください陛下。んでもって、たまにで構いませんから「良くやりましたね」みたいなお褒めの言葉を、笑顔とセットでいただけないでしょうか陛下。← バカ