「獣拳戦隊ゲキレンジャー」第33話感想

いつも通り 「獣拳戦隊ゲキレンジャー」を鑑賞。今週のあらすじはココ

拳魔ラゲクによって、江戸時代に飛ばされてしまったゲキレンジャー5人と理央にメレ。そこで彼らは、吉良上野介に憑依した臨獣アングラーフィッシュ拳のムコウアと遭遇する。このままでは、討ち入りを行う赤穂浪士たちがムコウアにやられてしまう。そこで5人は、討ち入り前に吉良邸へ突入してムコウアを倒し、同時に彼が持っている操獣刀を取り返そうとするが …… というお話。

えーと …… 私はこれまで散々「ゲキレンジャー」に文句を付けてきたけど、今回のエピソードくらい後味の悪い話は初めてだわ。戦隊シリーズ太秦映画村とのタイアップは恒例なんで、ゲキレンジャーが江戸時代に飛ぶこと自体に文句はない。コメディ仕立てなのも良しとしよう。でもさ、何でよりによって忠臣蔵なの?

ムコウアを倒したゲキレンジャーは、晴れ晴れとした表情で現代に帰る。しかし、その直後に吉良は赤穂浪士たちに惨殺されるし、その赤穂浪士たちも全員切腹することになる。そして、ジャンを除く4人は、明らかにそのことを知っているのだ。なのに、これっぽっちも気にしていないってのは、どういうことだ?

そりゃ、歴史を改変するのはマズイだろう。でも、見るからに無力そうな老人が間もなく殺されると知っていながら、それを止めるどころか、お膳立てまで調えてやるってのは酷すぎないか?ケンに至っては「ゆっくり休めよ、じじい」とか言ってるし。休めじゃねえよ。そいつはもうすぐ炭小屋に追いつめられた挙げ句、引きずり出されて殺されるんだよ。それとも何か?吉良は悪人だから殺されて当然か?仮にも正義の味方が、そこまで人の死に無頓着でいいのか?

またご丁寧に、吉良を演じてるのが「ウルトラマンメビウス」で補佐官を演じた石井愃一なんだよな。どう見ても、愛嬌のある小悪人程度にしか見えないんだよ。なんでそんなキャスティングをするかな。いったい何を考えてんだスタッフは …… と思って、東映公式ページを見たら石井愃一の演技について「忠臣蔵では悪人として描かれる上野介ですが、実はこのくらいお茶目な方だったりして」とか書いてあるし。ダメだこいつら。全然わかってねえや。

もちろん、劇中では吉良と赤穂浪士の末路について、まったく触れていない。しかし、触れなければ済むって問題じゃないだろう。どれだけコミカルに描こうと、忠臣蔵を知ってる視聴者には結果はわかりきってるんだから。いや、むしろコミカルだからこそ、描かれなかった結末の無惨さが強調されてしまうじゃないか。

つーかさー、繰り返しになるけど、何で忠臣蔵なの?子供向けの戦隊シリーズで、こんな季節外れの時期に、物語の流れを止めてまで、こんな血生臭い話をぶち込んだ理由は何?マジでわかんないんすけど。まあ、前述したスタッフコメントからして、何も考えてないんだろうけどな。

なんつーか、特撮番組を見て、ここまで頭に来たのは初めての経験だわ。つーことで、私は以後「ゲキレンジャー」を見るのやめます。今後どんなに感動的な展開になろうと、私にとってのゲキレンジャーは「多人数による殺人を幇助した自称ヒーロー」でしかなくなっちゃったんで。

んで、「電王」の感想は、頭を冷やしてから改めて書きますです。