「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序」感想・その1
昨日に続いて「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序」の感想。やっぱりネタバレが混じるので、できれば映画を見てから読むことをお勧めする。
[映 像]
昨日も触れたが、絵には徹底的に手が入れられており、TV版そのままの映像は皆無。ディティールが細かく描き加えられているのはもちろん、凝りに凝った (そしてツボを押さえた) エフェクトが加わることで、スクリーンサイズに負けないほどの厚みを持った映像に仕上がっている。CGも使いどころをわきまえていて、手描き部分との違和感は、ほぼゼロ。グリングリン動くエヴァ操縦シミュレーターとか、ガショガショと変形する防御兵器内蔵ビルとか、カッコ良すぎて笑ってしまうほどだ。
もちろん、使徒たちも大幅にパワーアップ。特にクライマックスに登場するラミエルは、TV版の素っ気なさが嘘のように表情が豊かになっており、ある種の愛らしさすら漂っている。うーむ、幾何学形萌えキャラという、新たなカテゴリが誕生しようとしているのだろうか。それはそうと、なぜラミエルを「裸見える」と変換しますか ATOK様。いや、ある意味で見えましたけどね、裸が。(謎)
んで、恐らく多くのファンが期待/心配してるであろう、「笑えばいいと思うよ」のシーンだが …… うーん、個人的には微妙。もちろん、絵的にはすごく綺麗に描かれてるんだけど、シンジのセリフからレイが笑顔を浮かべるまでの時間が、ちょっと短いんじゃないかなぁ。もうちょっと溜めがあった方が良いと思うっす。それと笑顔そのものも、マンガ版みたいに「かろうじて笑顔に見えないこともない」くらいに抑えてくれた方が、私は嬉しいぞ。
[声優・音響]
今回の映画化で、最も心配だったのが声優の演技。何せ本放送からすでに12年。間にいろいろエヴァ絡みの仕事があったとは言え、声優さんたちの声質や演技スタイルは確実に変化してるわけで、果たして「あのエヴァ」を再現できるのか、かなり不安だった。
で、実際に聞いた感想なんだけど …… えーと、やっぱり多少の違和感はあったっす。特に三石さんは「無理してミサトをやっている」感じで、最初はちょっと痛々しかった。ただ、聞いてる間に気にならなくなるレベルの違和感なので、大きな疵にはならないと思う。繰り返し見れば慣れるだろうし。いや、とりあえず DVD買うのは確定なので。
音響に関しては、ほとんど文句なしなんだけど、戦闘時のネルフ本部発令所のシーンで、何カ所か「あれ?」と思う部分があった。ミサトたちの会話のバックに、オペレータたちの声が流れてるんだけど、声の聞こえる方向がはっきりしすぎてる感じ。オペレータたちは発令所全体に散らばってるはずなのに、一カ所に固まってるように聞こえるのだ。一瞬「誰だよ、上映中に騒いでるのは」とか思っちゃったぞ、私は。そこだけ、ちと惜しかったかな。
[重要な改変 (ネタバレ超注意)]
TV版&旧劇場版からの改変で、物語の基本設定に関わりそうなものは、以下の通り。
- サキエル襲来時、すでに海が赤い。
- サキエルが第3使徒から第4使徒に変わっている。以下の使徒も同様。
- ヤシマ作戦段階で、ミサトがセントラルドグマ最深部に第2使徒リリスがいることを知っている。
- リリスの仮面がサキエルと同タイプ。(シャムシェルの背部にも同じ仮面が追加されている)
- 終盤に渚カヲルが月で目覚める。そばには旧作と同じ仮面を着けたリリス (らしき使徒) がいる。
- カヲルの「また三番目とはね 。変わらないな君は 。会える時が楽しみだよ 碇シンジ君」という発言
うーん、1〜5だけなら「旧作からの設定変更」で済んじゃう話なんだけど、問題は 6だよなぁ。ひょっとして旧劇場版の続きなの?ループ?ゲンドウが「龍騎」の神崎兄みたいに、「ユイちゃんに会えないなんてヤダヤダ!やり直しを要求する!」ってタイムベントしてるとか。奇しくもオブセッションの対象がどっちも「ユイ=優衣」だし、主人公の名前が「シンジ=真司」だし …… って、それは関係ねえよ。>自分
まあ現段階では何とも言いようがないんで、「破」を見てからまた考えよう …… って、思う壷にずっぽりハマってますか私?
[小ネタ]