「ウルトラマン」感想
Hたれ「やや、今日は最初から登場でしか」
博 士「んむ、いつものことだが深刻なネタ切れでな」
Hたれ「せやけど、録画したアニメやら特撮やらぎょうさん見てはったやないでしか」
博 士「見た。いっぱい見た。いっぱい見過ぎて……」
Hたれ「見すぎて?」
博 士「ほとんど忘れた」(えっへん)
Hたれ「あうっ」(すってん)
博 士「というわけで、断片的な記憶をネタに雑談でお茶を濁そうかと」
Hたれ「そら、濁しまくりでしなぁ」
博 士「何事も中途半端はいかんからな。つーことで、まずは『ウルトラマン』だが」
Hたれ「んと『禁じられた言葉』『空の贈り物』『怪獣墓場』の3本を見てはりますな。なんか印象に残ってるシーンとかありましか?」
博 士「んー、まずは何と言っても『禁じられた言葉』の巨大フジ隊員だな」
Hたれ「いきなりソレでしかいな」
博 士「何を言う。アレは、特撮好き・巨大女好き・制服好きという三つの嗜好を同時に満足させる、きわめて優れたシーンなのだぞ」
Hたれ「嗜好というか、煩悩というか。せやけど、作り手にそんなマニアックな意図はなかったんとちゃいましやろか?」
博 士「そんなことはないぞ。だってあの話で、フジ隊員を巨大化させる必然性なんてないじゃん?あれは間違いなく趣味だ。しかも、巨大女ものの定番である『布を巻き付けただけのビキニ』をあえて使わず、ストイックな制服姿のまま巨大化させてる辺りが、また実に何とも」(うっとり)
Hたれ「ああ、博士が白昼夢モードに。んと、巨大フジ隊員以外に見所はないのんでしか?」
博 士「ん?えーと …… おお、あったぞ!アレだ!」
Hたれ「どれでし?」
博 士「変身ポーズのまま固まったハヤタ」
Hたれ「あうあうっ」(ぽってん)
博 士「あれはバカで良かったなぁ。救出にきた科特隊メンバーが、あのポーズに関してまったく疑問を抱かない点も含めて」
Hたれ「含めるんでしか」
博 士「んむ。おまけに、あっさりハヤタを見捨てるし」
Hたれ「非情な組織でしね、科特隊って」
博 士「んー、あえて脚本の行間を読むと、実は科特隊のみんなはハヤタがウルトラマンだと知っていて、『こいつならどうせ死なねえしー』と思ってほっといたのかもな」
Hたれ「行間、デカすぎるんとちゃいましか?」
博 士「特撮を見るには、行間を捏造するくらいの心意気が不可欠なのだよ」
Hたれ「んーみゅ。そしたら、実相寺監督が演出した『空の贈り物』と『怪獣墓場』はどないでし?」
博 士「まあ、いかにもジッソー君な、ひねった話だよね。どっちも『暴れないけど存在するだけで邪魔になる怪獣に、どうにかお引き取りを願う話』だし」
Hたれ「どこにも居場所のない怪獣に、何とも言えない哀愁とペーソスが漂ってましなぁ」(しみじみ)
博 士「んむ、しかし個人的にはそこよりも、科特隊が繰り広げる頭の悪い作戦の数々こそが、見所ではないかと」
Hたれ「頭、悪かったでしか?」
博 士「だって、巨大なプロペラでスカイドンを宇宙に上げようとしたり、ロケットにシーボーズを縛り付けようとして、横にある鉄骨まで縛ったりしてんだよ?おまけに、ロケットをウルトラマン型に改造するし。宇宙をなめきった態度が素晴らしく頭悪いじゃん?」
Hたれ「褒めてるのか批判してるのか、どっちでしねん?」
博 士「自分でも良くわかんない。後『ウルトラゾーン』ってネーミングも『何も考えてません、てへ』みたいな感じで味わい深かったな」
Hたれ「んみゅう。Hたれ的には『ロケットを修繕する』という言い方が、なんか可愛らしくて好きでしなぁ」
博 士「あ、あれは名ゼリフだったな。『ウルトラマンマックス』でも、ノコギリやグラインダーで戦闘機を修繕してたし。伝統は継承されているんだねぇ」
Hたれ「すごい伝統もあったもんでしなぁ。ほな、次は『ウルトラQ』の話でも」
博 士「いや、それは明日の日記で話そう。ほら、あんまり長くなると読む人も大変だし」
Hたれ「本音は?」
博 士「けっこう行数も稼げたし、ネタは有限だしってあわわわ」
Hたれ「そんなことやろと思ったでし〜」