宇宙関連ネタ二題

ネタを探してギズモードをチェックしてたら「核爆発で超巨大な高級ホテル並み宇宙船を打ち上げるオリオン計画に再び脚光(動画あり)」というエントリを発見。

いやー、やっぱ良いよね、オライオン (オリオン) 計画。何と言っても、核爆弾を連続的に爆発させて推進力を得ようという、豪快かつ傍迷惑な発想が素晴らしい。スケール的にはバーナード星まで飛んでく「ダイダロス計画」の方がデカイけど、あちらは無人木星軌道上から発進するのに対し、オライオンは有人で、なおかつ地上発進。打ち上げ時の壮絶な光景を想像しただけで血が騒ぐというか、失禁寸前というか。ショックアブソーバー付きの、金属製プッシャープレートってのも、ワイルドでカッコイイぞ。

とりあえず、フリーマン・ダイソンのご子息であるジョージ氏には、お父上&NASAの膨大な資料を整理して、書籍として発売して欲しいもんですな。んで、日本語への翻訳は …… うーん、20年くらい前だったら石原藤夫さんで決まりだったんだろうけど、今だと …… 松浦晋也さんかなぁ。いずれにせよ、ぜひ読みたいっす。

後、さすがに計画の再開は難しいと思うんで、ILM辺りで CGによるシミュレーション映像を作って欲しいぞ。なぜか野球場のグラウンドがスライドして地下から発進し、周辺の建造物をイイ感じで破壊しながら上昇するという、無意味にスペクタクルかつ阿鼻叫喚な演出を入れて。

つーことで、なかなか楽しめるエントリだったんだけど、気になる点が一つ。単なる誤変換だとは思うのだが、さしもの核パルス推進ロケットでも、超光速は無理だと思うぞ。早く直した方が良いんじゃないかなー …… と思いながら、再度ギズモードを見に行ったら、もっと凄い間違いを見つけてしまった。

「人類初の宇宙飛行士ユーリー・ガガーリンに捧ぐ(動画)」というエントリに、こんな記述が!

 


でも米国初の宇宙飛行士アラン・シェパードが月面着陸を果たしたのはそれから実に10年後の1961年5月5日のことです。それも弾道飛行でした。

 

言うまでもないが、初の月面着陸を成し遂げたのは、アポロ11号に搭乗したニール・アームストロングとバズ・オルドリン (マイケル・コリンズはお留守番)。1969年7月20日のことである。ちなみに原文は「It wasn't until May 5, 1961, that Alan Shepard was rushed into space to became the first US astronaut, following a ballistic missile trajectory.」となっていて、月面着陸に相当する言葉は何一つ書かれていないのであった。

さらに、その後には、こんな事が書いてある。

 


地球周回軌道はさらに1年遅い1962年2月20日、フレンドシップ7(マーキュリー6号)で4時間55分23秒飛んだジョン・グレンが米国では最初です。

 

えーと、つまりアメリカは、初の宇宙飛行で弾道飛行による月面着陸を成功させたにも関わらず、地球の周回軌道に有人船を送り込むのに、それから1年もかかったんですね?んーむ、さすがは超時空翻訳シンデレラ satomiさん、もはや戸田奈津子を超えたと言えよう。