トグサの銃、発売決定

例によってネタを求めてネット上を徘徊していたら、ギズモードで「攻殻機動隊の拳銃が実体化」という記事を発見。

既に訂正されてるけど、M2007はオートマティックじゃない、普通のリボルバーっすね。ちなみにオートマティックリボルバーってのは、発射時の反動を利用して、シリンダーの回転とハンマーのコッキングを行う、非常に珍しい機構を持つ銃。

通常のダブルアクションリボルバーは、トリガー(引き金)を引くとシリンダーが1発分回転し、同時にハンマーが上がって落ちる仕組みになっていて、トリガーを繰り返し引くだけで連射が可能なんだけど、その分トリガーを引く距離が長くなるし、引くために必要な力も大きくなるんで、命中率が低くなるという欠点がある。

この問題を解決するには、予めハンマーを指でコックして(起こして)やれば、トリガーを軽く引くだけで発射でき、正確な射撃が可能なんだけど、1発ごとにハンマーを起こす必要があるから、速射ができない。一長一短なわけですな。

しかし、オートマティックリボルバーなら、1発撃つごとに自動的にハンマーをコッキングしてくれるんで、正確かつ素早く連射できるわけ。一挙両得っすね。

なのに、なぜこのタイプの銃が珍しいかと言うと、要は「そんな複雑な機構にするんだったら、わざわざ装弾数の少ないリボルバーにせず、普通のオートマティックを作ればいいじゃん」ってことですな。(^^;

閑話休題。M2007はオートマティックリボルバーじゃないけど、十分に個性的。記事は説明不足なんで補足すると、銃身が下に付いてるのは、銃身と腕のラインを近づけることで、射撃時の跳ね上がりを抑えるため。でも、雑誌の実写レポートなどを読むと、さほどの効果はないらしい。

しかも、そんなデザインにしちゃったせいで、照準と銃身のラインが離れてしまって狙いがつけにくく、なおかつシリンダー(注)を跳ね上げないといけないんで、空薬莢の排出や弾薬の再装填がしにくいという欠点まで生じてしまっている。つまりM2007は、「アイディアが先走って実用性を失った困った銃」なのだな。

とは言え、ほとんど変態的とも言えるデザインは魅力的だし、幸いにも我々日本のガンマニアは、こいつに命を預ける必要はないんで、心おきなく眺めたりいじくり回したりぶっ放したりして遊べるわけっすね。つーことで購入決定だ。

それにしても、わざわざこんな使いにくい銃を愛用し続けるんだから、トグサも相当な数奇者だよな。まあ、実際には「単なる押井さんの趣味なんだろうけどねー。