「仮面ライダーカブト」感想

連休3日目。遠出する気力がないので、昼食ついでに近所の本屋やゲーム屋を物色。したらば「仮面ライダーカブト」のゲームが安売りされていたので、つい買ってしまう。TV本編は、後半のストーリーが支離滅裂で散々な出来だったのだが、クロックアップによる高速戦闘は好きだったんで、ゲームなら、そこだけを楽しめるかな、と思ったのだ。

仮面ライダーカブト仮面ライダーカブト

バンダイ 2006-11-30
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んで、帰宅後にさっそくやってみたのだが …… こ、これは、私の知ってるライダーゲームではないぞ。平成ライダーのゲームと言えば、古式ゆかしいサイドビュー格闘で、何となく技を出してれば、それなりに進められる、お子様フレンドリーなヌルゲーが基本だったはず。ゲーム性よりも、必殺技の再現性や、隠しキャラなどのコレクション性が重視されていたはずではなかったか。

いや、もちろん、このゲームでもその要素は残っている。だが同時に、ゲームとしてもかなり本格的な物になっているのだ。発売がバンダイナムコ名義ということもあってか、雰囲気は「ソウルキャリバー」に似たクォータービューの 3D格闘になっており、動きの自由度はかなり高い。まあ、考えてみればクロックアップ戦闘を再現するには、サイドビューじゃ無理があるわけで、当然と言えば当然な仕様変更だと言えよう。

ただ、その分操作は複雑化していて、初めの内はなかなか思う通りに動かせない。さらにデフォルトの難易度設定である「ふつう」でも、敵キャラの反応がやたら早くて、簡単には勝てないようになっている。しかも、隠し要素は「ふつう」以上でないとほとんど出ず、ゲームモードも増えないため、難易度を下げると魅力が半減してしまうのであった。この辺、もうちょっと配慮して欲しかったなぁ。

んで、最大の問題点はクロックアップ。こっちが使う分には良いが、相手に使われて、なおかつこちらがクロックアップ不能状態だと、ほとんど何もできないまま、ボコボコにされてしまうのであった。みっともない格好で宙に浮かびながら、次々に攻撃を喰らい、挙げ句の果てに必殺技で爆死するマイキャラ。しかも、それをスローモーションで見せられるのだから、たまったものではない。よい子が見たら泣くぞ。つーか、私も泣かされたんですが。○| ̄|_

つーことで、いささか問題の多いゲームなのであるが、魅力がないわけではない。キャストオフで敵を吹っ飛ばしたり、クロックアップ中に複数の敵を次々に攻撃できたりするなど、TV本編におけるアクションの特徴を、上手く取り入れているのだ。カブトがライダーキックをする際に、ちゃんと「1・2・3」のボタンアクションができて、しかも合間に通常攻撃が挟める辺りもナイス。個人的には、キックホッパーの連続ライダーキックが再現されてるのが嬉しいぞ。うーん、開発スタッフは相当のカブトマニアのようであるな。

ちなみに、デモ&戦闘中のボイスは、基本的にTV&劇場版と同じ俳優が担当しているのだが、唯一、仮面ライダーコーカサスの声は、劇場版で演じた格闘家の武蔵ではなく、中田譲治が担当している。武蔵ファンには申し訳ないが、こっちの方が数倍渋くてカッコイイと思うぞ。まあ、あの声で「バラがどうのこうの」と歯の浮くようなセリフを言われると、「何か悪い物でも食ったのかギロロとか思ってしまうのが難だが。← 思うな