最近買った書籍あれこれ
備忘録も兼ねて、最近購入したアレコレをご紹介。
フロム・ヘル 上 アラン・ムーア エディ・キャンベル みすず書房 2009-10-10 売り上げランキング : 26308 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
フロム・ヘル 下 アラン・ムーア エディ・キャンベル みすず書房 2009-10-10 売り上げランキング : 35389 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「ウォッチメン」「リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン」のアラン・ムーアによる、切り裂きジャック事件をモチーフにしたグラフィック・ノベル。ストーリーのヘビーさに加え、例によって大量の情報が「これでもか」とばかりに埋め込まれており、さらにそれが500ページ以上に渡って続くので、読むのにかなりの時間と気力が必要な作品である。もちろん、過去作品同様、それだけの価値はあるんだけどね。
私の文章力では、この作品の凄味を上手く伝えられないので、とりあえず公式ページと、作品のトレーラー・ムービーを紹介しておく。
ゼロイン 12 いのうえ 空 富士見書房 2011-03-09 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
警察組織の一部民営化が行われている近未来を舞台に、「民間特殊機動警官隊」(民警) に所属する、射撃&格闘の名手である少女と、彼女をバックアップする少年が主人公のガンアクションマンガ (の最終巻)。ぽちゃむち系 (どんな「系」だオイ) 美少女が大量出演する、お色気アクション (死語) としての要素が目立つので、引く人もいるかと思うが、基本的には熱くて前向きな少年マンガなので、そういうのが好きな人にはお勧めだ。
銃関係の描写も色々と凝っており、その筋のファンにも楽しめる。この巻での私のお気に入りは、メインキャラの一人である花友蔵 (自称:ロス) が、「クライムハンター3 皆殺しの銃弾」のクライマックスを再現するシーン。「クライムハンター」シリーズと言えばVシネの草分けであり、当時日本では珍しかった「ちゃんとスライドが動いて空薬莢が飛び出すオート拳銃」が大活躍した、エポックメイキングな作品である。「作者もきっとワクワクしながら見たんだろうなー」と思えて、なかなか微笑ましいシーンであったよ。
逆に「あれ?」と思ったのは、主人公のコウが終盤で愛銃のH&K USPコンパクトを捨てるシーン。良く見ると、チェンバーブロック (弾薬が装填される部分) の前半が斜めに削られているのだが、これは空砲で動作させる必要のある、映画用のプロップ特有の処理なのだ。作者がそれを知らないとは思えないんだが、かと言って、わざわざそんな描き方をする理由も思いつかないしなぁ。いやまあ、どうでも良い話ではあるんですがね、ええ。
エクセル・サーガ 26 (ヤングキングコミックス) 六道 神士 少年画報社 2011-03-04 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
驚愕の第26巻。何が驚愕かというと、次巻が最終巻だという事実である (← そこかい)。久しぶりに本来の肉体に戻り、何とイルパラッツォに手を上げるエクセル、すっかりヒーロー的思考&行動が板に付いた岩田、その岩田を救うために主義を曲げて積極的行動に出る美咲、オタクとしての (一般人には理解しがたい) 譲れない一線を死守せんとする住吉、そして全裸祭絶賛開催中の渡辺などなど、確かに登場人物たちはクライマックスに向かって突き進んでる模様である。後、四王寺美和の正体も明らかになったし。そーか、そういうことか。予想は半分だけ当たってたな (謎)。
ともあれ、「いつになったら終わるんだ」「そんなに長く続ける話じゃないだろ」などと文句を言いつつも、ずっと付き合ってきた身としては、主要キャラ全員がそれなりに幸せな状態で最終回を迎えられることを、祈りたいところである。
山風短(2) 剣鬼喇嘛仏 (KCデラックス) せがわ まさき 山田 風太郎 講談社 2011-03-04 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
山田風太郎の短編をマンガ化するシリーズの第2巻。今回は「交合した状態で離れられなくなった侍とくノ一が、つながったまま旅をする話」である。その設定だけでも十分破天荒なのだが、「向かい合ってつながっているため、死角が生じず無敵」なんつー描写まで出てくるのだからたまらない。しかも、スルーすれば済む排泄の問題をわざわざ書いておきながら、「これ以上詳細に述べることは、この物語の美的印象を損ずることになるので、割愛させていただく」と書くなど、風太郎先生やりたい放題である。いやー素晴らしいっす。「そこに痺れる以下省略」ってやつですな。
おまけに、さんざんそういう描写をやりながら、最後には読者を感動させてしまうのだから、大したものである。もちろん、それを「面白いマンガ」としてキッチリ仕上げてみせた、せがわまさきもね。