「アイアンマン2」感想

オフ会日記の途中だが、「アイアンマン2」を見てきたので、その感想をつらつらと。

まず主人公のトニー・スターク (ロバート・ダウニー・Jr) だが、いい大人なのに、相変わらず魂は中学生男子のままで、微笑ましいやら情けないやら。アークリアクターの副作用で肉体を毒素に蝕まれながら、それを隠して戦うという、ヒーロー物の王道を進みつつも、何しろあの性格なもんだから、拗ねるわ暴れるわ駄々をこねるわと大騒ぎ。そりゃ合衆国政府もアーマーを取り上げたくなるわなー。まあ、その困ったちゃんぶりが社長の魅力でもあるわけだが。

んで、これまた相変わらず、スタークに振り回されてるのがペッパー・ポッツとローズ中佐。特にローズ中佐は心労でやつれてしまい、すっかり別人に!…… って、すんませんベタなネタで。深く反省してお詫びします。書き直しはしないけど (← オイ)。あー、でもアレだ、ドン・チードルの「いつ見ても困った顔をしてる」という特徴は、ローディに向いてるかも知れないな。

一方、今回の悪役であるイワン・ヴァンコ / ウィップラッシュだが …… いやー、カッコイイじゃねえっすか。粗野だが知能は高く、復讐の対象であるスタークの「アドバイス」を受け入れる柔軟さも持ち、素手でも十二分に強いと来たもんだ。でもって、それに説得力を与えてるのが、彼を演じているミッキー・ローク。もうね、表情やセリフの一つ一つから漢汁 (おとこじる) が溢れまくってますわ。だだ漏れですわ。

さらに、彼を利用しようとする、スタークのライバル企業の社長、ジャスティン・ハマーが、なかなかイイ味を出している。絶妙に嫌な性格で、どうにもマヌケで、なおかつ小者感バリバリ。なんつーかこう、「遠慮なく嫌ってね!と全身で主張してるような奴である。んーむ、やるなサム・ロックウェル。おかげでヴァンコが引き立ったよ!← その言い方はどうか

後、CEOになったペッパーに代わって、スタークの秘書となったナタリー・ラッシュマン / ブラック・ウィドーだが …… うーん、正直言ってスカーレット・ヨハンソンの無駄づかいで終わってしまったような。アクションで活躍するシーンはあるが、取って付けた感が否めないし、お色気シーンも全然エロくないしなぁ。「真珠の耳飾りの少女」における彼女のハンパないエロさを考えると、スカーレット・ヨハンソンの問題ではなく、ジョン・ファヴロー監督に、そっち方面の素養がないのかも知れない。

ストーリーに関しては、いくぶん中だるみはあるし、細かいツッコミどころ (元素と化合物を混同してるとか、問題が解決すんの早ッ!とか、ラストバトルがちとあっけないとか色々) はあるものの、前述したロバート・ダウニー・Jrミッキー・ロークの好演もあって、満足できる内容だったと思う。

つーか、人型兵器が大好きな身としては、今回の映画は十二分にご馳走だったっすよ。前作よりシャープなデザインになったアイアンマン・マーク4、アタッシェケースからの変形が素敵すぎるマーク5、重装甲と実弾系火力の充実が魅力のウォーマシーン、そして何よりハマー・ドローン!わざわざ陸・海・空軍&海兵隊の各バージョンを用意してるのが素晴らしい。どこのMSVだお前ら。陸軍用なんか、ほとんどザクキヤノンだし。あるいは、JSF (Joint Strike Fighter) ならぬ JSD (Joint Strike Drone) ってとこか。とりあえず各バージョン1体ずつくれ。自宅警備に使うから。

つーことで、細かい欠点はあるものの、なかなかに楽しめる映画であったことだよ。未見の人はぜひ映画館へ。やっぱ大スクリーンで見るべき映画だと思うので。あ、それと、例によってエンディングクレジットの後に、おまけ&伏線的なシーンが入ってます。ただ、多少なりともアメコミに関する知識がないと「???」だと思うので、「何じゃこりゃ?」と思った人はココを読むと良いかもだ。