「デス・プルーフ in グラインドハウス」感想

とんでもない強風に煽られつつ横浜へ。まずはヨドバシカメラで「デス・プルーフ in グラインドハウス」の DVDを発見したので即買い。次にオモチャ売り場に移動してあれこれ物色するも、今ひとつそそられるモノがなくて残念。それにしても、ホビー売り場のほぼ半分を美少女フィギュアが埋め尽くしてる現状は、いろんな意味で凄いな。ぜひバランスを取るために、マクファーレン・トイズNECA のグログロなフィギュアも置いて欲しいぞ。どんなバランスかは、自分でも良くわからないが。

それはさておき。ヨドバシを出て、横浜駅西口近くの 某DVDショップへ行ったら、閉店セールをやっていてビックリ。ここは「誰が買うんだそんなもん」的な B〜Z級映画の DVDを山ほど売っている、大変ありがたい店だったんだがなぁ。まあ、そんなことしてるから閉店しちゃうんだろうけど。南無南無。

つーことで、哀悼の意を込めて「テキサス・チェーンソー・ビギニング」の DVDを 40% OFFで購入。哀悼とは別の意が込められてないか?って説もあるが、「ヌキータ」を買っちゃうよりはマシだろう。手に取って 5分くらい悩んだけどな。

それもさておき、帰宅後にさっそく「デス・プルーフ」を鑑賞。以下に感想を書くけど、例によってネタバレを含むので、見る気がある人はその後に読むことをお勧めする。

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さて、見終えた感想なんだけど …… いやー好きだ。すげえ好き。ただし、ある程度見る人を選ぶ映画だと思う。何せコンセプトが「'70年代のグラインドハウス映画 (場末の映画館で3〜4本まとめて公開されるような低予算映画) を再現する」なもんだから、その手のくっだらねえ映画を山ほど見てきて、しかも愛着を抱いてる人間じゃないとわからないネタがてんこ盛り。加えて、バファリン優しさ含有率並みに分量が多い、姉ちゃんたちのダラダラトークが延々と続くんで、そこでめげちゃう人も多いんじゃないかな。

しかし、それを乗り越えた後に展開される、クライマックスのカーチェイスは痛快そのもの。CGなしで激走するマッスルカー同士のバトルは迫力満点だし、後半の主人公であるスタントウーマンのゾーイ&キムも死ぬほどカッコイイ。カート・ラッセル演じるサイコな殺人鬼スタントマン・マイクのヘタレぶりも、実によい味を出している。ぶった切るように唐突に終わるラストも素晴らしいぞ。

もちろん、登場するマッスルカーもカッコイイ。スタントマン・マイクが乗るデス・プルーフ仕様のマシン (スタント用に補強した車) は2台。1台は '70年型シヴォレー・ノバ、もう1台は '69年型のダッジ・チャージャー。どちらも黒い塗装と「コンボイ」で使われたラバーダックのオーナメントがチャームポイントだ。ちなみにチャージャーは、アメリカン・ニューシネマの佳作「ダーティ・メリー クレイジー・ラリー」で主人公たちが乗っていたマシンである (色はちがうけどね)。

対するゾーイ&キムが乗るのは '70年型ダッジ・チャレンジャー。これまた劇中で言及されている通り、カーチェイス映画の金字塔「バニシングポイント」で、主人公のコワルスキーがぶっ飛ばしていたマシン。そのチャレンジャーとチャージャーがガチンコでバトルを繰り広げるのだから、アメ車ファンにとってはまさに夢の対決。言うなればカーチェイス映画界の「フレディ VS ジェイソン」であるよ。← よりによってソレかい

それと、音楽も素晴らしい。私はその方面の知識が乏しいんで、具体的なアーティストや曲名はわからないが、選曲のセンスと使うタイミングの良さはわかるっす。さすがタラ、その辺は昔から抜群に上手いよなぁ。

つーことで、万人にはお勧めできないが、東京12チャンネル (現テレビ東京) とかでダメ映画を浴びるように見てしまった人たちなら、きっと楽しめる映画だと思うぞ。