ダジャレと妄想で意表を突く

私の人生における大きな目標の一つは、人の意表を突くことである。「それのどこが大きいんだコラ」と思う人がいるかも知れないが、大きさというのはしょせん相対的なものであって、当人にとって大きいと思えればそれは大きいのであり、誰もそれを否定できないのである。昔から言うじゃないか、「色は黒いが南洋じゃ美人」と。何か微妙に間違ってるような気もするが、間違いとか正しさというのも結局のところ相対的なものであって、とっとと本題に入れよオレ。

そんなわけで(どんな)、私はいつも意表を突きたいと考えている。突きたくてウズウズしている。ああもお突きまくりたいったらありゃしないって心持ちなのだ。くどいっすか?

しかし口で言うのは簡単だが、実際に意表を突くのはなかなか難しい。そこで、どういうことをしたら意表を突けるのか、じっくり考えてみた。主に仕事中に。いや、家にいるときはTGとかで多忙だし。

[具体例1]

まず仕事でどでかいポカをやらかす。当然上司にボロクソに叱責される。同僚からは後ろ指をさされ、閑職に回され、掃除のオバチャンに陰口を叩かれ、社員食堂では自分だけご飯の盛りを少なくされる。四面楚歌である。傷つき、苦悩し、ついには絶望に至り、意表を突いて会社を去る
……
って、それは辞表を書く。ダジャレのために会社を辞めてどうする。

[具体例2]

まず相撲部屋に入門する。厳しいシゴキを受けて、何度も何度も投げ飛ばされる。いつまでたっても強くなれぬ自分に苛立ち、思わず拳で意表を突く
……
って、それは土俵を突く。相手が勝ったり自分が負けたりっす。(意味不明)


[具体例3]

まず劇団に入団する。先輩の画鋲攻撃や、演出家の灰皿投擲攻撃にもめげず演技を磨く。座右の書は無論アレである。そしてついに掴んだ主役の座。楽屋で出番を待つが、緊張の余りのどがカラカラだ。コーヒーを飲もうとカップに手を伸ばすが、手を滑らせて服にこぼしてしまう。大慌てで意表を突く
……
って、それは衣裳を拭く。助けて紫のバラの人!


[具体例4]

まず罠に足を挟まれる。そして通りかかった農家の青年に助けてもらう。その夜青年の家を訪れ、お礼に機を織る。しかし、見ては行けないといったのに青年が覗き見をしたため、逆上の余り隠し持っていた出刃包丁で意表を突いてしまう
……
って、それはよひょうを突く。そろそろ限界っすか?

とまあ、いろいろと考えてみたのだが、いまひとつ実効性に欠けるような気がしないでもない。「つーか完膚なきまでにダメダメじゃん」と思う人がいるかも知れないが、それすら相対的なものであって。←もうやめれってばオレ。

そんなわけで、読者諸兄は上記の具体例を参考にして、意表を突くつもりがオヒョウを釣ってしまったり、うひょうと言ってしまったり、雌豹を食ってしまったり食われたりしないよう、細心の注意を払っていただきたいものである。そんなヤツはいませんかそうですか。