「スターシップ・トゥルーパーズ」感想

会社から実家へ帰る途中にビデオ屋に寄る。新作コーナーは、大抵すべて貸出中になっているので、あまり期待していなかったのだが、見ると「スターシップ・トゥルーパーズ」が1本だけ残っている。だが、その近くには作品を物色中の青年が!

 

「うおおおおっ邪魔だ邪魔だ俺が借りるんだソレは俺が借りるんだ俺以外が借りる事はまかりならんのだそこで悩んでるお前別のを借りろソコにあるミナミの帝王」はどうだいいぞ竹内力はとにかくソレだけは借りるなどけどかねばタダではおかんって言うかむしろ殺す

 

と、立て板に水の勢いで念じながら突進する私。その思いが通じたのか、後ずさる彼。嗚呼、やはり思い続ければ願いは叶うんだ。ありがとうピノキオ!←バカ

 

てなわけで、「星に願いを」をハミングしながらビデオを借りて帰り、さっそくダ○○グ。○の中に文字を入れて文章を完成させなさい。(ヒント:違法行為)

 

いやー、久々に見たけど、やっぱ最高だわこの映画。

 

監督のバーホーベンは「過剰で悪趣味で意地悪」な人だ。んで、そーゆー人に任せちゃったもんだから、原作とストーリーの流れはほぼ同一であるにも関わらず、原作者(ハインライン)の意図に、ことごとく反した映画になっているんだなコレが。

 

主人公のジョニー・リコは、過酷な戦闘や仲間の死を通じて一人前のタフな兵士に成長していく、という描写が「一応は」為されているが、バーホーベンは確信犯的にソレを安っぽく描いている。例えば・・・、

 

・偵察も後方支援もなしで歩兵を突撃させて、1時間で10万人(ホントは30万人)の戦死者を出すバカ軍隊

・その失敗を踏まえて、自信満々で行う新戦略も、事前に爆撃をするだけで、後はやっぱり肉弾戦。

・「自分に出来ることをしよう!」と呼びかけるプロバガンダ映像で、嬉々としてゴキブリを踏み殺す子供達と、それを見て大はしゃぎする女性。(学校の先生か?)

 

一人前になったリコの言う言葉が、戦死した上官ラチェックの単なるコピーだったり、頭脳階級のバグを捕らえて、その研究をしているにも関わらず戦術に全く変化が見られないことなど、バーホーベンの悪意は明白だ。ラストの「戦士は戦い続ける。そして彼らは勝つ!」という勇ましいテロップも、むしろ安っぽさを強調しているし。

 

しかし、この映画がいわゆる「反戦映画」かと言えば、それも違うように思える。なんつーか、バーホーベンはそうした見方をする人々をも笑っているような気がするのだ。

 

何にせよ、一見の価値はある映画なので、未見の人はぜひぜひ。見た後で気持ち悪くなっても責任は取れませんが。(^^;